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Finerenone with Empagliflozin in Chronic Kidney Disease and Type 2 Diabetes
最終更新日:2025年11月19日
タイトル
慢性腎疾患と2型糖尿病を有する患者における Finerenone と Empagliflozin の併用療法の効果:CONFIDENCE試験
著者
Agarwal R ら(CONFIDENCE試験グループ)
掲載誌
New England Journal of Medicine. 2025 Aug 7;393(6):533–543.(PubMedへリンクします。)
臨床問題
P(患者):慢性腎疾患(eGFR 30–90 mL/min/1.73m²)、アルブミン尿(UACR 100–5000 mg/g)、2型糖尿病を有し、ACE阻害薬またはARBを使用中の成人患者
I(介入):Finerenone(10または20mg/日)+Empagliflozin(10mg/日)の併用療法
C(比較対照):Finerenone単独、Empagliflozin単独
O(アウトカム):180日後の尿中アルブミン・クレアチニン比(UACR)の変化率、安全性(eGFR、血清カリウム、血圧、AE)
研究方法
デザイン:多施設共同、二重盲検、ランダム化、並行群間比較試験(CONFIDENCE試験)
盲検化:患者・医師・評価者すべてに対して盲検化
試験期間:2022年6月23日~2025年3月14日(180日間の治療+30日間のフォローアップ)
結果
対象者数:800名(併用群269名、Finerenone群264名、Empagliflozin群267名)
主要アウトカム:
・UACRの変化率(180日後):
- 併用群:52%減(LS平均比 0.48)
- Finerenone群:32%減(LS平均比 0.68)
- Empagliflozin群:29%減(LS平均比 0.71)
- 併用群はFinerenone単独より29%、Empagliflozin単独より32%大きく減少(いずれもP<0.001)
表. 主要アウトカム比較(180日後)
|
指標 |
Finerenone |
Empagliflozin |
併用療法 |
併用 vs Finerenone |
併用 vs Empagliflozin |
|
UACR変化率(LS平均比) |
0.68 |
0.71 |
0.48 |
0.71(P<0.001) |
0.68(P<0.001) |
|
UACR >30%減少率 |
52.1% |
51.7% |
70.0% |
OR 2.17 |
OR 2.21 |
|
eGFR >30%低下 |
3.8% |
1.1% |
6.3% |
- |
- |
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高カリウム血症(>5.5 mmol/L) |
18.6% |
9.7% |
15.3% |
- |
- |
コメント
・併用療法は、Finerenone単独およびEmpagliflozin単独に比べて、UACRの有意な減少を示した。
・治療開始後4週間以内にUACRの大部分が減少し、迅速な効果が確認された。
・高カリウム血症やeGFR低下などの副作用は併用群でやや多かったが、重篤な有害事象は少なく、忍容性は良好。
・併用療法は、慢性腎疾患の進行抑制に有効な可能性があり、今後の長期アウトカムの検証が期待される。
備考
・本試験はBayer社の資金提供により実施された。
・登録番号:ClinicalTrials.gov NCT05254002
・UACRの変化は、腎疾患進行のサロゲート指標として広く認知されており、今回の結果は臨床的意義が高い。